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女がひとり、磔にされている。

罪を犯したわけではない。

敢えて言うとするならば、

女が、女であるということ、

その事実に対し、罰が与えられている。

もちろん女に責はない。

しかし誰も、女自身でさえ、

間違っているとは思っていなかった。

それは、この国では当たり前の風景だった。

旅人を装った隣国の王子は、

そっと十字を切ると、心の中で剣を握り締めた。

この国は滅ぼされるべきで、

自分がその任を負おうと、

王子は心に誓った。

裸の女の肖像
裸の女の肖像

 

『裸の女の肖像』

著者:秋山真琴

発行:雲上回廊

頒布:第十八回「文学フリマ」D-05 雲上回廊

日程:2015年5月5日(祝月)

価格:500円

判型:A6(文庫本)

頁数:108ページ

部数:50部

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